育毛剤と発毛剤、何が違う? 40代が薄毛対策を選ぶ前に知っておきたいこと
朝、洗面所でドライヤーをかけていたら、つむじのあたりの地肌がいつもより白く見えた。
シャンプーのあと、排水口にたまる抜け毛も、なんだか増えた気がする。
40代は、こうした髪の変化に気づきやすい年代です。
日本皮膚科学会のガイドラインによると、日本人男性で男性型脱毛症(AGA)が見られる割合は、40代で約30%。
ドラッグストアの棚で「育毛剤」と「発毛剤」が並んでいるのを見て、どっちを選べばいいのか迷った人もいるのでは。
この2つは名前が似ていますが、法律上の分類も、ねらいも、買い方も違います。
違いを知っておけば、いまの自分に合うほうを選びやすくなりますよ。
- 育毛剤は「医薬部外品」。今ある髪を育て、抜け毛を防ぐもの
- 発毛剤は「第1類医薬品」。ミノキシジル入りの塗り薬
- 気になり始めたら育毛剤、薄くなってきたら発毛剤が目安
- 発毛剤は4か月以上続けるのが前提
育毛剤と発毛剤は「分類」が違う

いちばん大きな違いは、育毛剤が「医薬部外品」、発毛剤が「医薬品」だということ。
医薬部外品は、体への作用がおだやかなものとして法律で決められた分類です。
ドラッグストアや通販で、だれでも気軽に買えます。
一方の発毛剤は、市販の薬の中でもとくに注意が必要な「第1類医薬品」に入ります。
第1類医薬品は薬剤師が販売し、使う人に合わせて説明する決まり。
通販でも買えますが、注文のときに薬剤師の確認があります。
参考:e-Gov法令検索「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」/長野県「医薬品販売制度」(2026年10月30日確認)
育毛剤(医薬部外品):今ある髪と頭皮のためのもの
育毛剤は、頭皮の環境を整えて、今ある髪を育てたり、抜け毛を防いだりするためのものです。
たとえば花王の「サクセス 薬用育毛トニック」は、「抜け毛予防・育毛」と表示された医薬部外品。
有効成分として、t-フラバノンが入っています。
育毛剤に使われる成分は、日本皮膚科学会のガイドライン(2017年版)でも評価されています。
| 成分 | ガイドラインの評価 |
|---|---|
| アデノシン | B:行うよう勧める(男性) |
| t-フラバノン | C1:行ってもよい |
| サイトプリン・ペンタデカン | C1:行ってもよい |
発毛剤の成分ミノキシジルの評価は、いちばん上の「A:行うよう強く勧める」。
それにくらべると、育毛剤の成分は根拠がまだ限られている、という位置づけです。
そのかわり副作用が少なく、手軽に始めやすいのが良いところ。
「抜け毛が気になり始めた」「今の状態をなるべく保ちたい」という段階に向いています。
参考:花王「サクセス 薬用育毛トニック」/日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版」(2026年10月30日確認)
発毛剤(第1類医薬品):ミノキシジルの塗り薬
発毛剤は、ミノキシジルという成分が入った、頭皮に塗るタイプの薬です。
代表的なのは大正製薬の「リアップ」シリーズで、「リアップX5プラスネオ」はミノキシジルを5%配合しています。
効能・効果は「壮年性脱毛症における発毛、育毛及び脱毛(抜け毛)の進行予防」。
壮年性脱毛症は、生え際や頭頂部から少しずつ薄くなっていくタイプの脱毛で、男性型脱毛症(AGA)とほぼ同じものを指します。
日本皮膚科学会のガイドラインでも、男性型脱毛症には5%ミノキシジルの外用を「行うよう強く勧める」(推奨度A)としています。
使い方や使える人は、添付文書で決められています(リアップX5プラスネオの場合)。
- 使えるのは20歳以上の男性。女性や20歳未満の人は使えない
- 1日2回、1回1mLを、薄くなっている部分の頭皮に塗る
- 効果がわかるまで、少なくとも4か月は毎日使う
- 6か月使っても変化が見られないときは、使うのをやめて医師か薬剤師に相談する
「1本使ってみて、変わらないからやめる」だと、判断が早すぎるかもしれません。
はじめから4か月続けるつもりで、予算と手間を考えておきましょう。
参考:PMDA「リアップX5プラスネオ」添付文書/大正製薬「リアップX5プラスネオ」発売のお知らせ(共同通信PRワイヤー)/日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版」(2026年10月30日確認)
40代はどっちを選ぶ?

迷ったら、いまの頭の状態で考えてみてください。
抜け毛は少し気になるけれど、見た目はまだそれほど変わっていない。
それなら、まずは育毛剤で頭皮のケアを始めるのもひとつの方法です。
生え際が後退してきた、つむじのまわりが薄くなってきたと感じているなら、発毛剤が選択肢に入ってきます。
壮年性脱毛症は少しずつ進むので、気づいたときが動き出すタイミング。
急にごっそり抜けた、丸く抜けた、頭皮がかゆい・赤いといった場合は、どちらも使う前に皮膚科で診てもらってください。
円形脱毛症など、壮年性脱毛症ではない脱毛には、発毛剤は使えません。
市販の薬のほかに、クリニックで医師の診察を受け、処方された薬で治療するという道もあります。
スマホで受けられるオンライン診療の流れは、こちらにまとめました。
参考:PMDA「リアップX5プラスネオ」添付文書(2026年10月30日確認)
発毛剤を使う前に知っておきたいこと
発毛剤は医薬品なので、使う前に確かめておきたいことがあります。
- 高血圧・低血圧の人、心臓や腎臓に障害がある人、65歳以上の人は、使う前に医師か薬剤師に相談する
- 頭皮の発疹・赤み・かゆみ・かぶれなどが出たら、すぐに使うのをやめて相談する
- 使い始めのころに、一時的に抜け毛が増えることがある
添付文書には、ほかにも相談が必要な症状が書かれています。
買ったら、使う前に一度目を通しておくと安心です。
使い始めの抜け毛は、日本皮膚科学会のガイドラインでも「外用初期に休止期脱毛がみられることがある」と説明されています。
知らないと「悪化した」と思ってやめてしまいがちなので、覚えておいてください。
もうひとつ、海外から個人輸入したミノキシジルの飲み薬には手を出さないこと。
ガイドラインでは、ミノキシジルの内服は「行うべきではない」(推奨度D)とされていて、日本では認可されていません。
参考:PMDA「リアップX5プラスネオ」添付文書/日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版」(2026年10月30日確認)
迷ったら、今夜のつむじを1枚撮っておく
育毛剤と発毛剤は、どちらが上というより、役割が違うものです。
今ある髪を守りたいのか、薄くなってきた部分をなんとかしたいのか。
そこがはっきりすれば、選ぶものは自然と決まってきます。
まずは今夜、スマホでつむじと生え際を1枚ずつ撮っておきましょう。
同じ場所、同じ明るさで、1か月ごとに撮りくらべてみてください。
「なんとなく薄くなった気がする」が、写真で確かめられる変化に変わります。
4か月後に見くらべるとき、手がかりになるのは今日の1枚です。
